ワーキング・グループ

WG8: ソフトウェアと社会WG

コーディネータ: 岸田孝一(SRA)

概要

ハードウェアの小型化・高速化・低価格化やネットワークの急速な普及にともなって,いまやコンピュータは社会の隅々にまで浸透し,われわれの生活に影響をさまざまな影響を与えています.そしてもちろん,その背後には、システムの制御をつかさどる見えないエンジンとしてのソフトウェアの存在があります.

このWGでは,ソフトウェアと社会との関わり,その現状における問題点や将来のあるべき姿などについて,ソフトウェア開発に携わる技術者の視点から議論してみたいと考えています.WGは次の4つのセッションから構成されます.それぞれ,まず問題提起の招待講演(1時間)をお聴きし、引き続いてその話題について参加者全員による治通討論というかたちです.いわば、4つの切り口から「ソフトウェアと社会」をめぐる諸問題に踏み込んで行こうという試みです.

なお,このWGはオープン方式で運営しますので,討論参加者以外の方々も,4つの招待講演やそのあとの討論を自由に聴講できます.

WG討論に参加を希望される方は,SS参加申し込みにあたって,4つの討論テーマのどれにもっとも関心があるか,そしてそのテーマについてどのように考えているかを書いたポジション・ステートメント(200~400字)を提出してください.

なお,このWGはオープン方式で運営しますので,討論参加者以外の方々も,4つの招待講演やそのあとの討論を自由に聴講できます.

なお,このWGについての問い合わせはコーディネータまで mail でお願いします:

mail to: k2 @ sra.co.jp 

 

Session-1 (6月9日午後)

討論テーマ: "Safeware"

招待講演者: 松原友夫 (松原コンサルティング)

コンピュータによって制御される複雑なシステムに発生するだろうと予想されるハザードを予防するための手立ては?.N.レヴソン女史のの名著「セーフウェア」を手がかりにソフトウェア技術者のとるべき行動を議論したい.

Session-2 (6月10日午前)

討論テーマ: "Communication Engineering"

招待講演者: 山本修一郎 (名古屋大学)

社会システムにおいて起こるさまざまなトラブルの多くは,開発エンジニア,プロジェクトマネージャ,そしてユーザとのあいだのコミュニケーション上の誤解や行き違いが原因だと考えられる.それを解決する手段としてのコミュニケーション・エンジニアリングの必要性を議論したい.

Session-3 (6月10日午後)

討論テーマ: "Free/Open Source Software"

招待講演者: 中野秀男 (大阪市立大学)

Linuxその他に代表される Free Soft あるいは OSS は,現在さまざまな分野で広く利用されるようになってきた.インターネットを利用したそうしたソフトウェアの開発や利用は,新しい社会文化を創り出したが,その一方で,旧来の社会常識とのあいだで,さまざまな摩擦を引き起こしている.そのことの意味や将来の展望について考えたい.

Session-4 (6月11日午前)

討論テーマ: "Immaterial Labor"

招待講演者: 伊藤昌夫 (Nil Software)

現在の情報・ネットワーク社会においては,従来のモノを製造する「物質的労働」から,情報や文化といったかたちのないプロダクトを作り出す「非物質的(あるいは無形(労働」へというパラダイム・シフトが起こりつつある.ソフトウェア開発もまたそうした無形労働の一種だと考えられる。そのことの社会的意味合いについて考えたい.